脳疲労・不眠・いびきの脳画像診断
睡眠は体の疲れをとるだけでなく、脳の成長、または脳の疲労と深く関係があります。
本来、人間の脳は、昼夜のリズムによって成長する力を持っています。しかし、睡眠時間7時間以下の生活の繰り返しや入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒などの問題を抱えていると、日中の眠気やけだるさ、いわゆる「頭がボーっとする」状態を引き起します。これらが原因で、仕事のミス、やる気の喪失、幸福感低下に繋がり、不眠症やうつ病を発症するケースが後を絶ちません。実際、脳画像で確認すると、不調をきたした脳は活動が著しく低下していることが見て取れます。
睡眠の問題は原因が一つとは限らず、複数あることが通常で、脳の不調は一人ひとり異なります。しかし、この問題を見逃して、安易に睡眠薬だけで眠らせるといった治療は正しい治療とは言えません。
睡眠問題は「寝たいけれど寝られない」「寝ているけれど寝た気がしない」と自覚症状のあるケースと、「寝ているので何とか仕事ができている 」「いびきをかいていると言われるが、よくわからない」と自覚症状がなくトラブルを引き起こしているケースがあります。
中でも寝ている間に呼吸が止まる「閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)」は、いびきをかく人で呼吸が止まっていることを家族から指摘されない限り、無自覚なケースも多く、検査で初めて発覚することが多い病気です。
肥満傾向も睡眠中に気道を閉塞する原因の一つですが、肥満体型以外の方でも無呼吸が起こったり、若い女性に比べ50代以上の女性の場合、閉経後のエストロゲン・プロゲステロンの減少により無呼吸の発生頻度が上がるとの報告があります。また、閉塞性睡眠時無呼吸症は、性腺ホルモンへの影響も懸念されています(※1,2)。
睡眠時無呼吸症は、脳と体の低酸素状態を引き起こし、睡眠で休息しているにも関わらず、心臓と脳に強い負担をかけて、血管を傷つけ細胞を劣化させ、脳小血管障害(CSVD)、脳卒中、心不全、不整脈の危険因子であると指摘されています。(※3)。
近年、閉塞性睡眠時無呼吸症は、アルツハイマー型認知症に繋がるリスク因子であることが指摘されています。CPAP療法によって、閉塞性睡眠時無呼吸症でのMCI(軽度認知機能障害)を予防することが報告されています(※4)。
また、これまでの生活習慣で睡眠不足が当たり前になっていたり、睡眠中の無呼吸があると、自分が寝ていないことに気付くことができません。今まで十分な睡眠をとったことがないので、頭がクリアな状態と不調を比較することができず、毎日イライラする、仕事のミスが続くといった十分な睡眠が取れずに起こる問題を、性格や能力といった別の問題として浮上してくるケースもあります。
当院の脳画像診断ではMRIを用いて、複数の視点から診断し、治療法を提供しています。現在、睡眠に問題を抱える方、総合的に確認されたい方は是非ご相談下さい。
参考文献
※1 Cojocaru C, et al. Sleep apnea syndrome associated with gonadal hormone imbalance (Review). Biomed Rep. 2023 Oct 25;19(6):101. doi: 10.3892/br.2023.1683
※2 Bixler EO, et al. Women sleep objectively better than men and the sleep of young women is more resilient to external stressors: effects of age and menopause. J Sleep Res. 2009 Jun;18(2):221-8. doi: 10.1111/j.1365-2869.2008.00713.x.
※3 Ogbu I, et al. Sleep Disordered Breathing and Neurocognitive Disorders. J Clin Med. 2024 Aug 23;13(17):5001. doi: 10.3390/jcm13175001.
※4 Richards KC,et al. CPAP Adherence May Slow 1-Year Cognitive Decline in Older Adults with Mild Cognitive Impairment and Apnea. J Am Geriatr Soc. 2019 Mar;67(3):558-564. doi: 10.1111/jgs.15758.
対象
1.不眠でお悩みの方
2.いびきや睡眠時間の短い方
3.朝起きて頭がすっきりしない方
4.睡眠中の無呼吸を指摘されたことのある方 等
含まれる内容
1.面談時間最大2時間まで説明
2.一般脳ドックに含まれるMRI及びMRA検査の結果説明
3.MRIで口腔・鼻腔、気道閉塞状態を診断
4.睡眠改善の手順と脳の強化の指針
5.鑑定書
※遠方にお住まいの方や、諸事情で来院が難しい方などは、オンライン対応又は鑑定書のみの診断も承っております。
診断料金
330,000円(税込)
【受付時間】9:30 ~ 18:00
MRI撮影
・MRIをお持ちでない方は、都内推奨施設をご紹介いたします。
撮影費用:27,500円(税込)
・他院、他施設でのMRI持参も可能です。