加藤プラチナクリニック

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世界基準の新しいADHDの概念

コラム

2023年5月にオランダのアムステルダムで行われた、第9回ADHD世界会議は「新しくなったADHDの概念」と題し開催され、根本的に“ADHDを考え直す”という動きになっています。

具体的には「deficit(不足・欠落)」中心の考え方から、「Strongness and weakness(強みと弱み)」に分けて考えようという新たな国際基準の考えです。

Deficit(不足・欠陥)

Strongness and weakness(強みと弱み)

これまでADHDの診断と治療は「欠陥」している部分、すなわち、「ない特徴」にのみ注目をした捉え方だったのに対し、その人が持つ「強み」と「弱み」に分けて考えましょうという動きです。
もっと簡単に言えば、前者はマイナス面、足りない面だけに注目し、後者は強みというプラスの面も同時にしっかり診るという考え方です。

これは世界的には新しい概念であっても、私は脳画像診断を通じ、20年以上前から強みと弱みの診断を行っています。これまでも、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版,2020年刊)において、「第1章 ADHDの強み弱みを脳番地から診断する」でも述べています。

また、一般的にADHDや発達障害の診断は、問診や診察、IQ検査だけで行われるところ、当院ではMRIで脳の強み弱みを脳番地から確認し、画像で見える脳発達から診断をしています。

このように脳番地の強み弱みを基に、一人ひとりの脳個性に合わせた脳が成長する治療を行っています。

脳画像診断で強みと弱みを確認する意義

脳画像診断を行うと、良く発達した強みの脳番地と、未熟なために弱みとなっている脳番地が分かります。ADHDや発達障害でお困りのケースは、弱みばかりが目につき、本来脳にある強みの脳番地に気づかないケースが多くあります。

また一見、本人や周囲からは、弱みと見える症状も、脳画像から正しく評価すると、必ずしも弱みと言えないケースもあります。その誤解を解く手段としても、脳画像診断は有効です。

当院では、弱みの脳番地に対する治療だけでなく、強みの脳番地も同時に診断し、本人の良さを活かすアドバイスを行っています。

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